ひとりの思いつきがプロジェクトとなるときは、そのイメージが仲間に浸透し、はっきりとした共通認識を持てることが大切だ。

先日、AQから誕生したポストカードキットについて、ここに至るまでの道のりをちょこっとだけご紹介します。

“We love postcards, and made this kit so that you can easily send one from any corner of the world you happen to be standing on. Enjoy! ”

そもそもの始まりは、お昼の時間を利用して行われた社内ワークショップだった。

「デザイン思考家になるための90分集中講座」をやってみた

「誰かにプレゼントをする体験を考え直す」をテーマとするこのワークショップのひとつの特徴は、自分の頭に浮かんだアイデアを即興で形にすることだった。電球を人に見立てたり、スズランテープを破ったり、段ボールをつぎはぎしたりして作られたプロトタイプは、まるでゴミ箱からそのまま出てきたような有様だった。そんなプロトタイプでも、想像したものを具体的に手で触れる物として体現したことで、アイデアを眺め、その意図するところや問題点を共有できる有効な手段だと感じた。そして何より、やっぱり手を動かして作ることは楽しい。なんだか興奮する!ということも再確認。

ポストカードキットの素は、ここから生まれた。

スタンプセットのプロトタイプ

自分の選んだお土産に満足できなかったことがある、という他メンバーの体験談から、日常的に会えない人と会話のきっかけを作りたい、というニーズの本質が特定された。そこから、お土産としてのポストカードの存在に着目し、「旅先からもっとポストカードを送りやすくするには?」という課題に取り組んだ「トラベル用入れ替え式スタンプセット」(by Tomomi)。

相手の住所を調べ、切手を入手する手間が省ければいいのではないか。「ポストカードを買った瞬間から実際に出すまでの落とし穴」をケアするトラベルグッズだった。

しっくりと腑に落ちるよい案は、時間を経て育って行く。そして何よりも、自分たちが使いたいという思いが残った。ワークショップの数週間後、とりあえず自分たちのために作ってみようということになった。

このプロトタイピングの経験を通して、私たちが単純明快にイメージを共有できていたことは、後々まで大きな強みとなった。スタンプセットのアイデアをより身近でシンプルに、旅先まで携帯するのに魅力的な形は、と更なるプロトタイプを繰り返した。

第二プロトタイプ

身の回りで旅に出る友人たちを捕まえては、無理矢理、プロトタイプをバックパックにねじ込ませた。そんな心優しき律儀な友人たちはいつもハガキを送ってくれ、その実経験からのフィードバックを寄せてくれた。何日か持ち歩いてみた感想、取り出したタイミング、素材の感触などなど。

そんな中、最終的にはメンバーの意見一致で今のポストカードキットの形が定まった。心強いヒトミちゃんに素材選びから縫製までをお手伝いしてもらって、完成へと至ったのです。

軽くて丈夫なフェルトのケースには、いつでも使えるように、好きな切手を入れておいて、アドレスカードに住所を記入しておくだけ。

あなたが今そこで見ている景色、ぼんやり頭に浮かんでいることは、まだだれも知らない。それを数行の文章にしたためて、友人に送ってみてはいかがでしょうか。これもまた素敵な共有のあり方です。

そんなこんなでご縁があり、この秋からSpoon&Tamagoで発売開始となりました。数に限りがありますので、興味のある方は、お早めに!