以前から気になっていた、スタンフォード大学 d.schoolの「デザイン思考家になるための90分集中講座」。そのビデオとワークシート一式について、慶應義塾大学SFCデザイン思考研究会が日本語訳を公開してくださったことを機に、社内でワークショップを開いてみることにしました。

テーマは、「誰かにプレゼントをする体験をリデザインする」です。こういうワークショップは良く開催しますが、純粋に参加者として挑めるのは新鮮で、かつフィジカルなプロトタイピングをするのは貴重な体験でした。

準備時間が一切かからないことを考えると、とても良いトレーニングの素材だと思います。途中でプロトタイプを全員と共有する時間を取ったので、約120分くらいかかりました。

工作気分で多いに盛り上がり、思いのほか(?)良いアイディアが出たと思うので、ここで簡単に紹介します。

Eiko

異なる形のギフトを束ねます

解決したい課題:例えば結婚祝いや退職祝いなど、仲間グループ共通の知人へ合同で贈り物をする機会に、祝福の有無は同じでも個人ごとに異なる祝福のタイプをひとつのカタチにすることの難しさを解消したい

アイデア:手紙やミニギフトを束ねて贈ることができる配送会社のための新サービス。個人ごとの思いを生かしつつ、仲間で一緒に贈ることができる。

  1. 個人ごとに手紙や定型範囲内に収まるミニギフトをしたためる
  2. 配送する際に一つにパッケージされて本人に郵送される

議論した点:仕組みをプロトタイプとして形にした点が、面白い!定型を設けることで個人の贈りたいものに制限をかけるものにならないか?また、まとめて贈ることと自由度のバランスを検討する必要がある。

次に取るならこういうステップ:定型のデザインについて練り、実際に使用できるプロトタイプを作成する。

Hanae

ダンボールのモバイル端末です

解決したい課題:社員の誕生日などグループでプレゼントをする際に、幹事として各人のコミット度合いの微妙な違いを調整するのがいちいち大変!

アイディア:お金は払うので選んで来てください、自分が贈るものを選びたい、お祝いしたいけど参加できない、など全メンバーの「感情レベル」を共有するデバイス。忙しい幹事は、あらかじめ登録してある近くのショップ情報(在庫、ラッピングの可否なども含む)からプレゼントを選ぶ。実際に渡しているシーンの映像をデバイスを通じて共有することによって、「みんなからのプレゼントなのに、結局何をあげたのかを知らない人がいる」という寂しい状況を回避できる、というオマケつき。

議論した点:「感情レベル」を定量化するのは、あるようでなかったアイディアで、使われる頻度は案外高そう。でも、デバイスである意味は?アプリでいいのでは?!

次に取るならこういうステップ:まずは、良くある「感情レベル」が何なのかを調査する。MVPはGoogle Formsで良いので、何かしらのイベントで試してみる。幹事の負担が減り、本人+まわりが満足すれば仮説は検証されたことにしよう・・

Sayo

切れた電球を活用したスグレモノ

解決したい課題:思いを伝えたい大切なプレゼントほど、選ぶのに時間と手間がかかる

アイディア:相手について「小麦粉モノが好き」「実はインドに興味がある」など、日頃から気づいたちょっとしたことをストックしておいて、いざとなった時に、焦ったり妥協しなくても、気の利いたギフトを選べるようにしておけるサービス「たぶんwishlist(仮)」。将来的には、Conranショップや菓子店など、ギフトコンシェルジュがいる店舗と連携することで、ショッピング部分もサポートする。

議論した点:明示的にギフトコンシェルジュだと名乗っているスタッフのいるお店があれば、行く回数は増えそう。「たぶんwishlist(仮)」は、使っているうちに自然とプレゼント選びが上手になるような設計になっていて欲しい。ネットで買い物が完結するサービスを目指すのか、リアル店舗との連動がポイントなのかを考えると良いかもしれない。

次に取るならこういうステップ:「たぶんwishlist(仮)」入力項目の洗い出し、ソーシャルメディアとの連携の可能性などを考える。店舗にギフトコンシェルジュを置くアイデアは、実現までのプロセスが多いので保留。

Tomomi

トラベル用入れ替え式スタンプセット

解決したい課題:ヒアリングから、不定期かつそれなりの頻度で、日常的には会わない人と会話のきっかけを作りたいというニーズを抽出し、「旅先からもっとポストカードを送るようになるには」という課題に注目しました。

アイディア:親しい人の住所のスタンプをまとめた、入れ替え式のスタンプセット。洗面道具セットや変換プラグと同じノリでスーツケースに入れる、というトラベル用品。柄の部分は固定で、ゴム部分は入れ替え可能。追加や住所変更については、ウェブ注文ができる仕組みで、ジレット剃刀のビジネスモデルを想定する。裏側には、送った日付と場所を簡単に記録しておくことができる。

議論した点:確かに、宛先を調べて手で書かなければいけないというのがハードルとなって、素敵なポストカードに遭遇しても結局送らないということは良くある。切手を数枚入れるポケットがあると良い。すぐ商品化できそう!?

次に取るならこういうステップ:既存の商品やサービスで工夫をすれば、似たようなものは作れそう。むしろ、自分が欲しくなったので、作ることにしました。