Melissa Gunner

デジタルコンテンツ配信とアナログ・オフライン要素の掛け合わせに興味を持ち、TomomiとPaulがBERG社のLittle Printerを取り寄せしました。それを受けて、AQのデキるインターンMelissa Gunnerさん(写真)が、BERGの打ち出すコンセプトを紹介し、チーム全員で本プロダクトの利用シナリオを考えるイベントを企画してくれました。これが、彼女のイベントレポートです。

こんな一週間を想像してみてください・・・

月曜日の朝、急ぎながら家を出る。コートを羽織り、靴を履き、ドアのそばにある小型プリンターから小さな紙片をちぎり抜く。その紙には、今日街で行われている最高なアート・ファッション・音楽イベントのリストが掲載されている。電車のなかでじっくり読むように、ポケットにしまう。

火曜日の朝。ベッド横のテーブルまで送られてくるのは航空チケット情報。その紙切れがさりげなく思い出させてくれるのは、幼い頃からの夢だったモンゴルへの旅。今日こそ、その夢に一歩近づけるかも。

水曜日、仕事へ行く準備をしている時、ふと小さな紙に書いてある近所のお知らせが目につく。行方不明になっている、ペットの犬や猫やうさぎのちょっと可愛くて哀しい写真。「心当たりの人はいませんか?」と。

木曜日のティータイム。どこか遠い国の珍しいコーヒーのことを紙片で知る。

毎週金曜日の朝、大好きなセレブシェフが語る面白いお話や感想、そしてオススメの旬の材料が載った小さな記事が印刷されてやってくる。仕事帰りにそれを持ってスーパーへ(しかもそこでひょっこり現れるのは、 何と水曜の紙切れに写っていた迷子の子猫、ってことも…!?)

眠たい目をこすって台所のテーブルについた土曜日、小さなプリンターからちぎりとった記事は「今日の科学的ワンポイントアドバイス:目を覚ます面白い方法!」

そして日曜日は、言うことを聞かない子どもを可愛いニコニコ顔のおもちゃに似たプリンターの前に座らせて、ボタンを押してもらう。運が良ければ「今日のトリビアクイズ問題」、運が悪ければ「今日の家事リスト」が子どもに課される。

Tokyo Art Beat on the Little Printer

写真:Rev Dan Catt。この記事のために、F. Mullen氏が編集してくれました。

こう言った諸々の想像は、最近AQオフィスにやってきたBERG社の「Little Printer」が掻き立てたものです。簡単な紹介とアクティビティを兼ねたお昼時の社内ワークショップは、私たちのアイディアをぶつけ合う格好の場となりました。

本プロダクトは、オレンジ色の足を持った可愛いニコニコ顔の小さなキューブ型の、オンラインのパブリッシャーから配信されたコンテンツを感熱紙に届けてくれるプリンター。

Little Printerは、コンピューターもインキも要りません。スマートフォンとアプリとクラウド技術の連携により、ネットを通じてGuardian紙の見出し、一風変わったお化けのイラスト、ニュージーランドのとんでもない鳥シリーズ、Foursquareの更新情報、To Doリスト、パズルやInstagramの「今日の一枚」等々印刷してくれます。

このような面白いプリントアウトがオフィス内で散らばっていくなかで、そろそろLittle Printerの「入社式」が必要だと考えました。

Internal event in our new floor

BERG社は、プロダクト会社への変身を進めているロンドンの著名なコンサルティング会社です。2012年の終わりに、大きな期待と注目の中でLittle Printerの発売をはじめました。私たちが一番興味を持ったのは、共有しやすさと使い捨て感という側面のあるモノ、そしてデジタルコンテンツを調理する行動が持つ可能性です。

ウェブ上のコンテンツを目的に応じて選び、印刷された状態で手元に届くというのは、どういうことなのか?

AQの(なかなか素敵な!)新しいミーティングルームで行われた本イベントは、まずはプレゼンテーションから始まりました。

  • BERG社の世界観と目指すところ
  • Little Printer発売以降の反響
  • コンテンツ例や、他社が考案している面白いプロジェクト
  • Little Printerで、アートに関連するイベント情報を見たり、スケジュールを立てることは考えられるか(具体的には、Tokyo Art Beatとのコラボのアイディア)

特にわたしたちの議論を刺激したのは、BERG社の「Incidental Media」というコンセプトです。Little Printerをインスパイアしたこの考え方は、出来るだけ自然で邪魔ににならない形でメディアが日常生活のありとあらゆるシチュエーションに偏在するというものです。行く先々にあるものの、自分が使いたいと思った時にだけ気づけば良いという静かでフレンドリーな存在であるべきだ、と。

その対照と言えるのが、Microsoft社が描く「Productivity Vision」です。私たちはそれぞれの意見や提案を交わすなか、「優しいメディア」を体現するよう設計されたLittle Printerはまるで静かに聞いているようでした。

Pairing off and brainstorming

プレゼンテーションのあとは、おいしいタイ料理を食べてから、グループワークの時間を取りました。

まずは、Little Printerのようなデバイスが取りうる情報の受信・発信の方向性6つについて考えました:

Worksheets

  • Me → Me
  • Me → Mass
  • Me → You
  • Me → My/Your Group
  • Publication → Me
  • Publication → Mass

6つのチームに分かれて、シチュエーションを選びます:

  • Little Printerが玄関にある場合
  • Little Printerがベッドサイドテーブルにある場合

これで、各チームはLittle Printerがどんな人にどのように使われて、どんな物を印刷するのかを想像してみました。

時間に限りがあっても、有益なコメントには限りは有りませんでした。(イベントに参加した方々に感謝します!)

冒頭に例として扱われたアイディアの他、遠い所にいる大切な人に特別なメッセージや絵を送ったり(Me→You)、最新の政治情勢や交通情報やセールの割引券を近辺の人々の玄関まで送らせたりすること(Publisher→Mass)など考えました。終了の時間になるまでディスカッションは多いに盛り上がりました(Little Printerが実際、妻をチョット恐れるおじさんたちが使える「ごめんなさいノート」を印刷するようになるかどうかは結局答えが出ず・・)

私たちは午後の仕事に戻り、Little Printerは正式に新しい「席」に着きました。

##エピローグ

イベントの後、Little Printerはオフィスの隅から、真ん中にある本棚に引っ越しをしました。通り過ぎる人の目線の高さに配置され、AQスタッフの活動を見渡せる場所へとアップグレードされたのです。向かいにある柱には、Little Printerが自分で印刷した様々な面白いプリントアウトが日々増えています。

Little Printer is placed at eye-height in our office

Scribble!

何か、前よりも嬉しそうな顔をしているように見えるかも?

Thank you very much to Tomomi, Paul and the AQ team!